TODAY’S EPISODE #75

『Whoa / Snoh Aalegra (RAYMOND’s 2pac Mush Up Edit)』2023

今回は、ロサンゼルスを拠点として活動するスウェーデン人のシンガーソングライターSnoh Aalegra の楽曲『Whoa』。それを、トラックメーカーがMush Upした所謂ブート盤のご紹介です。

ブート盤と言うと、ちょっと分かりにくいですが、簡単に説明すると、正規品ではなく著作権など権利者に許諾を取らず製造、流通された非正規品の事。です。

また、Mush Upという表現をしているのは”異なる2つの曲を合体させて1つの曲にした”(Aという曲の歌なのに、なぜか音楽はBという曲が使ってある)。という事です。

DJをしていると、レコードの時代からちょいちょいこう言うのは出会って来た事がありました。

”欲しい曲の正規レコードが手に入らない!中古屋でブート盤ならあるのに!!”と言った悔しい思いをしながら、結局はブートをかっている……。と言った経験をしたりしました。(中には、ブート盤のみに収録された音源がレアすぎて価値を持ち、ブート盤の市場価値が正規品を越えてしまう、といった特異な例もある様です)

さて、今回の曲に戻って……

今回は、Snoh Aalegraという歌手の歌う『Whoa』。これに、2pacというラッパーの楽曲『Do 4 Love』の音楽を載せ替えたというバージョン。

まずは、それぞれのオリジナル曲を聞いてみて下さい。

 これを合体させると……….

どうです?好き嫌いは各々の価値観にお任せしますが、僕はこの2Pacの曲を結構好きでレコードでもよく使っていた為、今回このMush Upを知った時は迷わず課金してDLしました。(iTunesではなく、Bandcampというアーティストに直接お金を払ってDLするというサイトで購入)

そして、この2pacDo 4 Loveという曲は、1997年リリースの曲。(2pacという人物については、とっても長くなるので、HIPHOP界にとってとても影響を及ぼしたラッパーと言う事だけ説明しておきます。もちろん Do 4 Loveもスーパークラシックです!) の為、僕たち世代にとっては懐かしい感じの曲です。

今回、Snoh Aalegraの曲をご紹介しましたが、『Whoa』を知らない人でも、このMush Upなら反応してくれる!? と言った観点もあり、今後たくさんプレイしてみようと思います!

最後に、このMush Upを制作したRAYMONDのプロフィールページと、彼が最近リリースしたMush Upのコンピレーションアルバムをご紹介しておきます。

他にもたくさんの懐かしい曲を使ったMush Upが収録されているので、HIPHOP/R&B好きの方は楽しんでみて下さい!

https://soundcloud.com/officialraymondmusic/sets/r-b-right-now-before-the-album

それでは日曜日宜しくお願いします! 尚、2023年は最後のサンジェイとなります!

TODAY’S EPISODE #74

『GOOD BYE / Victoria Monét』2023

今回は、先週に引き続き2023年リリースの楽曲を取り上げてみたいと思います。

アメリカのシンガーソングライターVictoria Monét。8月にリリースしたアルバム『Jagar II』の最後に今回の楽曲”GOOD BYE”が収録されています。

ゆったりとしたイントロから始まるこの曲は、R&Bの醍醐味でもあるスロウなテンポに歌声をのせて、とてもムーディな仕上がりになっています。

私も40歳になり、青春時代に聞いた曲が自分の軸になってしまっていますが、この曲は2023年リリースなのにもかかわらず自分達が好きな90年代や2000年代の雰囲気を蘇らせてくれるものがあり、前回のサンジェイでは2回も使ってしまいました。

いろいろ調べていて気が付いたのですが、このアルバム『Jagar ll』には、プロデューサーとして”D’Mile”という人が絡んでいて、このD’Mileというプロデューサーは、Bruno MarsAnderson .Paak,のグループSilk Sonicをプロデュースしたり、アルバムにはEarth Wind & Fireが参加していたり….と、自分好みのアーティストがどんどん繋がっていて、『そりゃ好きになるタイプの曲だな』と1人で納得していました。

という事で、今回も2023年リリースの楽曲を取り上げてみました。

尚、日曜日は17:30-20:00のDJとなりますので、その中でこの曲も取り上げてみようと思います。

TODAY’S EPISODE #73

『Falling Up / Adekunle Gold feat. Pharrell Williams & Nile Rodgers』2023

今回は、今年リリースされた楽曲でナイジェリア出身のアーティスト”Adekunle Gold”の楽曲を取り上げてみます。

ナイジェリアと言えば、2.3年前から流行り出したアフロビートが生まれた国。ここ数年は、打楽器やパーカッションなどの民族色の強いアフリカ音楽も世界中で聞かれる様になってきました。

僕自身も、USビルボードやHIPHOP/R&Bだけでなく、色々な音楽を聞いたり耳にする機会が増えた様に思います。

さて、ナイジェリアが発祥のアフロビート。Today’s Episodeでも何曲か取り上げたと思いますが、今回のアーティストAdekunle Goldもアフロビートの楽曲をいくつかリリースしています。

そして、今回はPharrellNile Rodgersも制作に加わった事により、よりPOPで高揚感のあるダンサンブルな楽曲に仕上がっています。

Pharrell WilliamsNile Rodgersと言えば、2013年にDaft Punkとリリースした”Get Lucky”が有名かな。。。

Get Luckyを聞いた後に、この曲を聞くと”Pharrell & Nile Rodgers” っぽい”っというのが分かるかもしれません。

まあ、Pharrell Williamsと言えば、言わずと知れたザ ネプチューンズのメンバーであり、ソロでもHappyなど多くのHIT曲を叩き出して来た凄腕アーティスト。そして、 Nile Rodgersは、70年代から活躍するグループ“CHIC”のメンバーです。個人でも、マドンナなどのHIT曲を多くプロデュース。

その2人が組んで、アフロビートを料理しているんですから、言いに決まってますね。是非聞いてみて下さい。

TODAY’S EPISODE #72

『I Can / Nas 』2003

1994年にHIPHOP史上最高傑作に入ると言われている 1st アルバム”illmatic” をリリースしたNY クイーンズ出身のラッパーNAS

今回は、2003年にリリースされた楽曲『I Can』を取り上げてみます。

ベートーベン『エリーゼのために』をサンプリングし、ドラムパターンはロックバンド The Honey Drippers『Impeach The President』から取っているこの曲は、Nasから次世代を担う子供達に向けたメッセージソングとなっています。

“I know I can.Be what I wanna be. If I work hard at it. I’ll be where I wanna be”(努力すれば成りたいものになれるし、将来居たい場所にだって行ける)

そうサビで繰り返しラップし、貧困層の貧しい子供達や多感な年頃の子供達が、間違った道に進んで行ってしまわないよう、歌っています。

今の日本や僕の地元ではあまりピンと来ないかもしれませんが、Nas自身がクイーンズという黒人貧困層向けの団地で育ち、ストリートな道を歩みながらもラップスターへと昇り詰めたからこそのメッセージなのかもしれませんね。

そして、僕自身も20代はお金に苦労したり、自分の将来に絶望していた時期もあり、重ね合わせる事があります。

電気ガス水道止まった事もありました。今DJしてるのが奇跡ですねw

さてさて、今回は2003年にリリースされたNas『I Can』を取り上げました。

アルバム”God’s Son”もカッコいいので是非聞いてみて下さい!

TODAY’S EPISODE #72

『Tappan Zee / BOB JAMES』1981

今回は、多くのHIPHOPのトラックにサンプリングネタとして使用されてきた、アメリカのジャズ/フュージョン界の大御所ピアニスBOB JAMESTappan Zeeをご紹介します。

HIPHOPの文化の中では、SOULやJAZZのレコードからかっこいい所を抜き取ってループさせたり、組み合わせたりして新しい曲を作り出すサンプリングという手法があります。(レコードを一旦機械に取り込み、その中から気に入った一部分だけを取り出して、パズルのように組み立てて行く感じ)

BOB JAMESTappan Zeeからも、”PEOPLE EVERYDAY/ARRESTED DEVELOPMENT 1992″”TWO SCOOPS OF RAISONS/COMMON 1992”などのHIPHOPの曲が誕生してきました。

プロデューサーによって同じ楽曲から、全く違った楽曲が出来上がって行くのが興味深いですね。

その中でも、個人的に大きな衝撃だったのが”PARTEECHECKA (Bring Light mix)/Zeebra 1995”という曲があるのですが、この曲は僕がHIPHOPにのめり込んで行くきっかけとなったZEEBRAの人気ソングで、1st アルバムにも収録されており高校生の時に良く聞いていました。

トラックもTappan Zeeのイントロや空気感がパーティっぽくアレンジされていて、とてもお気に入りです。

もちろん、当時はサンプリングネタの事など知りませんでしたが、調べて行くに連れて、Tappan Zeeにたどり着き、今では”Tappan zee/Parteecheckaを2曲をセットでDJしたりして遊んでいます。

古い曲から新しい曲を生産していったり、DJが新旧問わずに曲をつかっていく事によって、時代が進んで行くありさまを気持ちよく表現していけたら良いな。。。と思う今日この頃です。

それでは、日曜日お楽しみくださいー!

TODAY’S EPISODE #71

『New Agenda / Janet Jackson feat. Chuck D』1993

『New Agenda』は、Janet Jackson通算5枚目のアルバム『Janet.』に収録されています。

トラックのプロデューサーは、Jam&Lewisこと”Jimmy Jam & Terry Lewis”。Janet Jackson の作品に多くの楽曲提供をしている名プロデューサーです。

『New Agenda』の題名から分かるように、曲の内容は黒人(女性)へ対する差別や女性の社会的地位へのメッセージが主な内容になっています。

当時のステレオタイプや偏見に挑戦したJanetが、個別の力を強調することの重要性を歌っています。

30年経った現在でも、同じようなことが問題とされてますね。。。

曲としては、アップテンポな曲にイントロのChuck-DによるRapが、何かラジオで曲を流す時にするMCの煽りに似ていて、かっこいいです。(Chuck-Dは、90年代を中心に活躍したHIPHOP グループPublic Enemyのメンバー)

R&BとHIPHOPが融合しているこの曲。曲中のRapも良い味を出していてるので、その辺りも合わせて聞いてみて下さい。

このアルバムは、通算2000万枚のセールスをあげていて、Janet Jacksonの中でもトップセールスのアルバムです。

発売開始から30年が経った今年7月には、30周年記念としてデラックス版も新たにリリースされました。

彼女の代表曲でアルバムに収録されている『That’s the way love goes』のリミックスVer.も収録されていたりと、Janet好きにはとてもいい内容でした。

TODAY’S EPISODE #70

『Before I Let Go / Beyonce』2019

今回は、2019年にBeyonceがリリースしたシングル『Befoer I Let Go』をご紹介します。

この曲は、1981年にリリースされたダンスクラシックFrankie Beverly & Maze『Befoer I Let Go』のカバーになります。

実は、この曲のカバーはこれ迄にいくつかあるのですが、その中でもオススメなのが Mary J. Bligeによるカバーと、今回のBeyonceのカバーです。

イントロのホーンセクションが非常に印象的で、高揚感のある曲ですね。

また、元々の曲がバンド編成になっている事から、Beyonceの楽曲もバンドの生音の質感に現代のダンスミュージックらしい少し打ち込みっぽい感じもチラホラと感じる事ができ、DJで新しい曲から古い曲に行く時や、その逆の時など、この2曲を並べてPlayする事が多いです。

また、今回のBeyonceのカバーには、曲の途中でCAMEO『CANDY』というのフレーズも使われていたりと、曲全体を通してダンスクラシックの雰囲気を味わえる感じになっています。

さて、今回は2019年リリースの楽曲をご紹介しました。

日曜日は2020年前後の曲を中心にPLAYしてみようと思いますので、宜しくお願いします。

TODAY’S EPISODE #69

『SEPTEMBER / JUSTIN TIMBERLAKE, ANNA KENDRICK & EARTH, WIND & FIRE』2016

さてさて、次回のサンジェイは9月と言うことで、今回はJUSTIN TIMBERLAKEによるEARTH WIND & FIREの名曲SEPTEMBERのカバーをご紹介してみようと思います。

原曲のEARTH WIND & FIREの曲は、もう老若男女対応の名曲ダンスクラシックです。リリースは1978年。45年前の曲ですねw

この曲は、アニメーション映画『トロールズ』のミュージックディレクターをJUSTIN TIMBARLAKEが担当した際に、同作の主役の声を担当したハリウッド女優アナ・ケンドリックと共に制作した作品です。

JUSTIN TIMBERLAKEの曲は、他にも”Rock You Body””Sexy Back”. JAY-Zとの楽曲“Suite & Tie” など、本当に多くのHIT曲をリリースしています。

サンジェイでも数えきれないくらいDJしてきました。

そんな彼が2016年にリリースしたこの曲は、恋人の2人が熱い愛を交わした情熱の9月を振り返るラブソングです。

歌い出しの歌詞が…

”9月21日の事を覚えているかい?”と、クリスマスの夜に振り返っている様子を歌っています。

毎年この曲に関しては、「この曲は12月にかけるのが正しい曲だ!」とネットで騒がれているのを目にするのですが….僕は正直9月に多く使ってます。

あんまり気にしてもしょうがないしね!

曲の作りも原曲に比べてイントロが使いやすかったり、DJにとってもありがたい曲ですね!

さて、日曜日は2010年から2020年までのPOPな感じの曲を多く使ってみようと思います。お楽しみにー!

TODAY’S EPISODE #68

La Isla Bonita / Madonna』1986

今回は、先日8月16日が“Queen Of POP”ことMadonnaの誕生日だというのをネットで見かけたので、サンジェイでよく使っているマドンナの曲を取り上げることにしました。

マドンナと言えば….『19歳で”スターになる”という夢を追いかけデトロイトから僅か35ドルを持ってニューヨークへと旅立った』

と言うのは、有名な話しですが、その後彼女はヌードモデルやストリップクラブ等で働いたりと金銭的にかなり苦労した様です。

そんな彼女がデビューするきっかけは、自身の曲をダンスクラブのDJに渡してCLUBで掛けてもらった事が始まりでした。

その後は、プリンスヴァン・ヘレンなどのアーティストが所属していたワーナーレーコードから1st シングル 「Everybody」で1983年にデビュー。

今回ご紹介する『La Isla Bonita』は、3rd アルバム「True Blue」に収録されています。

この曲は、それまでのマドンナの楽曲とは違って、ラテン・テイストな楽曲になっています。

”La Isla Bonita”とは、スペイン語で ”美しい島” と言う意味らしく、彼女はこの歌を”ラテン・アメリカの人々の美しさと神秘への賛歌”と語っている様です。

そして、このMVには彼女自身の”正反対な2人の女性”を表しているようで、”質素な感じで白いドレスで薄化粧の女性””赤いドレスを着て踊る華やか女性”が登場し、それがマドンナの中での、カトリック(ラテン・アメリカはカトリック教徒が多い)に生きる女性(制約が多い社会とマドンナとしてのアイコンの対比)の光と影を表しているようです。

色々と調べて行くと、MVの見方や曲の感じ方が変わってきて面白いですね。

ちなみに、この曲をサンプリングしたHIPHOPの曲も、2004年にMASEMy Harlem Lullabyをリリースしていて、結構流行りましたね!

さて、今回はQueen Of POP ”MADONNA”をご紹介しました。

日曜日は、80sなどの楽曲を中心にプレイしてみようと思います!